旨味の相乗効果!「作り置き」を意識したアクアパッツァのコツ

アクアパッツァはイタリアの伝統料理で、魚介類とトマトのスープ料理です。深い味わいの反面「ブイヨンは使わない」「加える調味料も少ない」などの特徴があります。ですが、その美味しさは偶然ではなく「旨味の相乗効果」など科学的な法則が活かされているのです。料理を美味しくするその法則を知り、レシピ通りの素材が無い時にも便利な、代用食材の見つけ方や「作り置き」を意識したアクアパッツァのレシピもご紹介します。

■「暴れ水?」ユニークな名前のイタリア料理

アクアパッツァとはイタリアのナポリ地方料理で生まれた料理です。ナポリ料理といえば豊富な魚介料理と、名産品のトマト(加熱することで美味しくなるサンマルツァーノ種)を使った料理が特色ですが、このアクアパッツァの特徴はブイヨン(西洋出汁)を使わずに「トマト」と「水」だけで作られるスープ料理だということ。(魚介を食べるイメージがありますが、本来はスープ料理です。)アクアパッツァという言葉の意味を直訳すると、アクア(acqua)は「水」パッツア(pazza)は「奇妙な、狂った」など。料理名としては想像しづらいイメージの言葉ですが、詩的に訳すると「楽しい感じに弾けた暴れ水」とも言えるスープ料理です。ユニークなネーミングでアクアパッツァの水はどんな風に暴れるのか?をイメージすると少し楽しくなりますね。

■アクアパッツァの美味しさのワケ

アクアパッツァの美味しさの秘訣は「食材に組み合わせ方」にあり、多種多様なアクアパッツァができます。ブイヨン(西洋だし)や調味料に頼らず作る料理なので、美味しさの「柱となる旨味」がしっかり出せていないと「成立しない料理」ともいえます。では、どんな材料を組み合わせたら美味しいアクアパッツァを作ることができるのでしょうか。そこには「旨味の相乗効果」という料理の法則がありました。

■「食材の組み合わせ」と「旨味の相乗効果」

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画像は、今回レシピをご紹介する「作り置き」を意識したアクアパッツァの材料です。鯛、アサリ、マッシュルーム、ぶなしめじ、ミニトマトなどがありますが、この中には実は複数の旨味成分があります。鯛には「グルタミン酸」アサリには「コハク酸」ミニトマトとパプリカには「グルタミン酸」マッシュルームとぶなしめじには「グアニル酸」と4種類もの旨味のアミノ酸成分があります。そして旨味には1種類だけよりも、複数を掛け合わせることで1+1が2ではなく、それ以上の更なる効果を生むことがわかっています。

例えば、和食で使う昆布とかつお節で取る合わせ出汁も、昆布の「グルタミン酸」とかつお節の「イノシン酸」の1:1の掛け合わせで、旨味がおよそ7~8倍になると言われています。人は舌で旨味を「強く」「長く」感じるとその分「美味しい」と感じるので、旨味成分を持つ食材を単体ではなく、複数掛け合わせて料理することで、相乗効果が生まれ「更に深みのある美味しさ」となっていくのです。もちろん、2つの旨味成分で7~8倍ならば、4種類なら更にその2倍……などと単純計算できるものではありませんが、掛け合わせが多いことは「より確かな旨味のある美味しさになる」という法則がこのアクアパッツァの素材の中にも活きているのです。

これがシンプルな調味料しか加えられていないことが不思議なほど、深みと広がりがある旨味がアクアパッツァに感じられる理由です。そして相乗効果は発酵食品にもあります。アクアパッツァには白ワインも欠かせませんが、今回のレシピには「白ワイン」と「オリーブの塩漬け」を加えています。白ワインはブドウを発酵させていますし、オリーブの塩漬けも乳酸菌を活かした発酵食品です。こうして発酵食品も1種類だけよりも複数重ねていることにより、作る料理に更なる旨味を生んでくれます。

 

■旨味相乗効果の活用法

この組み合わせのポイントを理解していることは実はとても便利なことです。材料に違いがあってもアクアパッツァの味は成立させることができますから、より作りやすくなります。「鯛がないからスズキで作ろう」「きのこはエリンギがあるから大丈夫」と素材を入れ替えながらも、その時に手に入る食材で、旨味の相乗効果の活きている美味しいアクアパッツァを作ることができるということです。

クセの無い白身魚を使うことが素材本来を味わうアクアパッツァの素材として適しています。ですから、鯛以外にもカサゴ、スズキなどがあげられます。その他の食材は下記のものでも同じ旨味成分を組み合わせたことになります。

【旨味の酸】    【代表的な食材】       【代用できる食材】        

グルタミン酸       鯛              カサゴ、スズキ

コハク酸        アサリ              ハマグリなど貝類

グルタミン酸     トマト               ブロッコリー、アスパラ、玉葱

グアニル酸    マッシュルーム            エリンギ、舞茸などのきのこ類

白ワインは「日本酒」で代用したり、オリーブはザワークラウト(キャベツの塩漬け)なども少し雰囲気は変わりますが、発酵食材の掛け合わせとして代用したりすることもできますね。

 

■「作り置き」を意識したアクアパッツァレシピ

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4人分 調理時間 20分~30分 

【材料】       【量】          【下準備】                

真鯛          350g       塩を振っておく 

アサリ          280g       砂抜きをしておく

プチトマト      110g(10個)   ヘタを取って洗っておく

ぶなしめじ      60g        石づきを切っておく

マッシュルーム  50g(5個)    3㎜に薄切り

パプリカ赤・黄  35gずつ    5mm幅の拍子切り

せり         30g(1/2束)   洗って5cm程度に切る(イタリアンパセリでもOK)     

にんにく        2欠片      2㎜厚のスライス

薄力粉        適量

オリーブ        10粒    

ワイン        80cc

オリーブ油      50cc    

塩          少々

水           100~200cc

 

1.鯛をキッチンペーパーで軽く拭いて臭みを取ってから、鯛の表面に切り目を入れ、真鯛に薄力粉を全体に薄くまぶし余分な粉を落とす。フライパンにオリーブオイル大さじ2杯を入れ、中火で片面ずつ30秒程度ずつ両面を焼いて取り出す。(フライパンに残った油には臭みが移っているので洗い落とし料理には使わない。)

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2.フライパンにオリーブオイル大さじ2杯入れて、スライスのニンニクとぶなしめじ、マッシュルームを入れて中火で1~2分程しんなりする程度炒める

3.2の鍋に1の真鯛を戻し、鯛の周りにプチトマト、アサリ、パプリカを入れる。調味料のオリーブ大さじ2杯、白ワイン、水(100cc)を回し入れて、スープの全体が均一な濃さになるようにフライパンを傾けて軽く調整する。蓋をして中火で10~15分煮る 

4.3に火が通ったら、せりを乗せて、蓋をして1分ほど弱火から中火で蓋をして煮る。(もし水分が蒸発してスープが少なくなっている場合には、水を50㏄~100cc加えて調節する)

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5.味を見てから塩を少し加えて仕上げる。(塩を加える際には、フライパンを傾けて、スープが多い部分に塩を加えると溶けやすく、プライパンをまた反対に傾けたり、スプーンで全体にスープを回しかけたりすると、少ない塩を全体に行き渡らせるようにすることができる)

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■「作り置き」意識の2つの効果

通常のアクアパッツァでは、粉をまぶして魚の表面を焼くという工程は含まれません。ですが「作り置き」を意識した場合には、出来上がり直後よりも、その先の美味しさを意識して料理することが大切です。今回、最初に鯛に粉をまぶして表面を軽く焼く工程を持つことで、得られる効果は2つあり「油に魚の臭みを移して魚の臭み抜きができる」「再加熱しても、身が締まり過ぎず美味しい鯛を食べることができる」という2つの効果があります。

アクアパッツァの鯛は、丸ごとの御頭付きだと更に美味しい出汁がでますがからおすすめです。その際には腸はしっかり取って洗って使いましょう。鱗も固いのでしっかりと摂って調理することも大切です。

 

おわりに

アクアパッツァの名前のユニークな意味や、科学的な裏付けのある旨味の相乗効果を知ると、グツグツと煮込んでいる時にも「いま、水が暴れて、食材の旨味を掛け合わせて美味しくしてくれている」と楽しい気分になります。この他にもパエリヤやブイヤベースなども、同じように旨味の相乗効果を活用すると、わずかな調味料でも美味しく出来上がります。アクアパッツァでも、その他のお料理でもご活用いただけたら嬉しいです。

 

ライター名:ふたば   photo by ふたばⒸ2020

 

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著者プロフィール

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ふたば(Futaba)
調理師、幼児食アドバイザー、
大手料理教室講師、イタリアンレストラン、保育園給食室勤務など、10年以上の料理経験を経て現在タスカジでは「ふたば(Futaba)」として、作り置き料理を実施中。2016年より、大手学習塾の大人向け料理講座等も多数実施中。人気シリーズに「こどもの脳にいいごはん」講座などがある。タスカジさんのお仕事レビューはこちら⇒https://taskaji.jp/user/profile/38950

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