ホーム > 料理 > 組み合わせ方は無限大!自分好みに合わせてみよう『カレーに使われる代表的なスパイス10種』

組み合わせ方は無限大!自分好みに合わせてみよう『カレーに使われる代表的なスパイス10種』

大人も子どもも大好きなカレー。普段、カレーを作るときの味付けには何を使っていますか?
カレーのスパイスと言っても、どんな種類があるのかわからない方も多いのではないでしょうか。今回はカレーにはどんなスパイスが使われているのかご紹介いたします。

目次

カレーに使われるスパイスの種類は主に3種類

カレーにはさまざまなスパイスが使われるため、使うときに何を使えばいいのか混乱しがちですが、実は大きく分けて3種類しかありません。「辛味」「香り」「色」です。これらを組み合わせてカレーのルーとなります。

代表的な「辛味性スパイス」

・唐辛子
・コショウ

代表的な「芳香性スパイス」

・オールスパイス
・カルダモン
・クミン
・グローブ
・コリアンダー
・シナモン
・ナツメグ

代表的な「着色スパイス」

・ターメリック

です。
普段の料理でも頻繁に使われているスパイスもあれば、名前しか知らないスパイス、初めて聞く名前のスパイスがあったと思います。一つずつどのようなスパイスか見ていきましょう。

ピリッと辛味を出したいときには「辛味性スパイス」

唐辛子

店頭では「レッドペッパー」という名前で並んでいることもあります。『辛味スパイスの王様』と呼ばれるくらい有名なスパイスです。

コショウ

コショウには白と黒の2種類がありますね。黒コショウは色が付く直前の未熟な実をそのまま天日乾燥させて作り、白コショウは完熟して赤くなった実を水に浸して発酵させ、果皮を取り除いて天日乾燥させて作ったものです。

コショウ

おいしさを引き立たせる「芳香性スパイス」

オールスパイス

「百味胡椒(ひゃくみこしょう)」という和名を持ち、外見がコショウに少し似ていますが辛味はあまり感じられず、辛味よりもグローブやナツメグを合わせたような上品な香りが特徴です。

カルダモン

乾燥させた種子をスパイスとして使います。カレーだけでなく、コーヒーやチャイ、お菓子など幅広く使われるカルダモンは『香りの王様』と呼ばれているそうですよ。

カルダモン

クミン

クミンは古くから親しまれているスパイスで、遡ると古代ギリシャ・ローマ時代から栽培されています。カレーだけでなく、エスニック料理には欠かせないスパイスです。

クローブ

クローブという名前は「釘」に形が似ていることからラテン語の「clavus」が語源といわれています。また、別名の「丁子(ちょうじ)」はT字型の形から名前がつけられています。

グローブ

コリアンダー

中国では香菜(シャンツァイ)、タイではパクチーと呼ばれていることで有名ですが、これは葉の部分です。カレーには種をスパイスとして使います。

シナモン

別名ニッキ。カレーよりもお菓子に使われている印象が強いのではないでしょうか。世界でもっとも古くから知られているスパイスでもあります。

ナツメグ

ニクズクという果実の種子がナツメグです。カレーに使われるスパイスはナツメグですが、果実の種皮を乾燥させた「メース」にも香りがあります。

カレーらしい色合いに導く「着色性スパイス」

ターメリック

黄色の着色料としても有名なターメリックは「うこん」という別名があります。「クルクミン」という色素成分は食品や料理の着色だけでなくスリランカでは布の染色にも利用されているんだとか。

カレーに使うそれぞれスパイスのテイストを知ろう

なんとなくそれぞれのスパイスの名前や特徴が理解できたのではないでしょうか。一口に「辛味」や「香り」といってもスパイスによって程度やテイストが異なります。それぞれのスパイスの具体的な特徴をを知って上手に使っていきましょう。

唐辛子

数種のスパイスを組み合わせて作るインドカレーで辛味をつけるのに最も使われるスパイスです。温暖な気候で育った唐辛子ほど辛味が強いんだとか。もちろん、唐辛子を大量に入れれば辛味は強くなります。
ヒリヒリする辛みが特徴なので、入れ過ぎるとお水が手放せなくなり、カレーを楽しくおいしく味わえなくなってしまうので気を付けてくださいね。

唐辛子

コショウ

唐辛子がインドに広まる前はコショウによって辛味をつけていたそうですよ。
黒コショウと白コショウ、どちらも強い辛味と爽やかな香りが感じられるスパイスです。比較すると黒コショウの方が風味が強いです。ヒリヒリと痛みのある辛味よりも、ピリッと軽やかな辛味をつけるのに適しています。

オールスパイス

グローブやナツメグを合わせてたような上品な香りが特徴的で、多くの素材と相性が良いので使いやすいスパイスです。カレーにも使われますが、北欧料理のニシン漬けに欠かせないスパイスでもあります。

オールスパイス

カルダモン

甘さと爽やかさを兼ね備えた香りを持つスパイスです。カレーの風味を高めるだけでなく、肉類の臭み消しにも一役買っています。インドでは食後に口臭予防にカルダモンの粒を噛むそうですよ。

クミン

クミンはセリ科のスパイス。セリ科ということもありエスニックな香りが特徴的です。ザワークラウトに欠かせないキャラウェイというスパイスに似た香りと辛味があります。

クローブ

バニラのような甘い香りを持ちます。辛いのが苦手な方は入れてみてはいかがでしょうか。刺激的なカレーの香りの中にまろやかな甘さを感じることができるでしょう。

コリアンダー

コリアンダーの甘さと爽やかさ、スパイシーさを兼ねた香りは好き嫌いがはっきりと分かれます。この独特のにおいから「カメムシソウ」という名前も持っているんだとか。

コリアンダー

シナモン

甘い香り付けが特徴ですが、シナモンの独特のスパイシーさはカレーのうま味を引き締めるアクセントとして活躍してくれるでしょう。

ナツメグ

甘く刺激的な香りが特徴のスパイスです。肉料理の臭い消しにも使われているので、カレーの肉臭さが気になるときにはぜひ入れてみてください。使う直前に種子を引くと香りが立ちます。

ターメリック

ターメリックの「クルクミン」が色素成分であり、カレーには欠かせません。油に良く溶ける性質を持つため、サフランの代わりに使われることもあります。

初めからいろいろなスパイスを調合してカレーを作らなくても、市販のルーで作るカレーに気になるスパイスを少し加えて自分好みの味付けに仕上げることもできます。

一からスパイスを調合して作る場合には辛味性スパイスを5〜10%、芳香性スパイスを50〜80%、着色系スパイスを10〜40%が基本のバランスといわれています。

具材によって、多めに使うスパイス選びも大切です。
鶏肉や野菜、豆などに合わせて、マイルドな香りに仕上げるならクミンやコリアンダーを多めに、豚肉や牛肉など、クセの強い肉にはオールスパイスを多めに、辛みを強くしたいならチリーペッパーを多めに入れると良いそうですよ。

参考サイト:スパイス&ハーブ

それぞれのスパイスが身体にもたらす効果

それぞれのスパイスの特徴は味や香りだけではありません。「カレーを食べると汗が出る」というように身体に対してさまざまな効果・効能があります。「汗が出る」や「身体が温まる」といった有名な作用だけではないのです。

唐辛子

唐辛子の辛味成分は「カプサイシン」です。カプサイシンは新陳代謝を活発にしてくれるため、脂肪燃焼効果や発汗促進効果、老化防止効果が期待できます。また、唾液や胃液の分泌促進により消化を高める作用、食欲増進作用もあります。ただし、摂取し過ぎると胃や腸の粘膜の炎症に繋がるので入れ過ぎ注意です。
漢方でも使われており、感冒や頭痛、吐き気、ヘビの毒の解毒にも効果があるんだとか。解毒効果があるとはいえ、毒をもらう状況にならないようにしたいですね。

コショウ

コショウの辛味成分は「ピペリン」です。ピペリンには胃腸を健康にしたり、腸内のガスを排出したり、食欲を増進させる効果があります。

オールスパイス

「オイゲノール」という成分が含まれており、消化機能の促進や防腐・抗菌効果もあります。豊かな香りにはリラックス効果もあることから、ポプリにも使われるそうです。ポプリとは花の花弁や草の葉,果実の一部などを香料とともに香油やブランデーの中に混ぜ、ビンや壺などの容器に入れたものです。インテリアとしても、芳香剤としても活用されているので見たことがある方もいらっしゃるのでは?

カルダモン

インドカレーでは体力増進のために使われていますが、特有の甘い香りには精神を安定させる効果や吐き気を抑える効果もあります。

クミン

クミンには消化促進や解毒作用があるので下痢や腹痛に効果的といわれています。また、胃腸内にガスを溜まりにくくさせたり、肝機能を強化させる作用もあります。

より詳しい成分や効果はこちら
スパイシーな香りがもたらす効果とは・・・『知って得するクミンの成分と保存方法』

クミン

クローブ

クローブに含まれる「オイゲノール」という成分には抗酸化作用をはじめ、消化機能の促進作用、健胃・整腸効果、身体を温める効果があります。これらの効果は他のスパイスでもありがちですが、オイゲノール独特の効果「歯痛鎮静効果」を持つことから「歯医者さんのハーブ」と呼ばれているんだとか。

コリアンダー

コリアンダーには消化を助ける健胃作用、食欲増進作用、発汗作用があります。また、頭痛の改善や血液浄化のためにも使われているそうですよ。

より詳しい成分や効果はこちら
独特の香りなハーブ『知って得するパクチー・コリアンダーの成分と保存方法』

コリアンダー

シナモン

シナモンには身体を温める効果が高く、血行促進作用により、冷えからくる腹痛や下痢にも効果的です。また、口臭防止や美肌効果など女性に嬉しい効果もあります。

より詳しい成分や効果はこちら
スパイシーな香りが暮らしに役立つ『知って得するシナモンの成分と保存方法』

シナモン

ナツメグ

ナツメグは下痢や腹痛、健胃などに効果があります。ただし、一度に大量に摂取すると麻痺や嘔吐などの症状が出ることがあるので、入れ過ぎにはご注意ください。肉1�sに対してナツメグ0.2g程度が適切です。

より詳しい成分や効果はこちら
胃腸が弱い人にもおススメ?『知って得するナツメグの成分と保存方法』

ナツメグ

ターメリック

うこんという別名から二日酔い抑止効果が高い印象がありますね。これはターメリックに含まれる「クルクミン」という成分が胆汁の分泌を促して、肝機能を高める効果があるため二日酔いの予防に効果があります。クルクミンには他にも抗酸化作用や、抗炎症作用を持ちます。

より詳しい成分や効果はこちら
辛いだけじゃない?二日酔いにも効き目あり!『知って得するターメリックの成分と保存方法』

ターメリック

10種類のスパイスの特徴や使い方をご紹介しましたが、この中の数種類を組み合わせた混合スパイスがあります。ご存知でしょうか。それは「ガラムマサラ」です。
一体何のスパイスを組み合わせているのでしょうか。

辛味と香りを同時に引き出す混合スパイス「ガラムマサラ」

ガラムマサラはカレーのスパイスとしてよく使われており、インド料理に欠かせない存在です。
ガラムは「暑い(熱い)」マサラは「混ぜたもの」という意味があります。組み合わせている代表的なスパイスは「シナモン」「グローブ」「ナツメグ」の3種類。配合するスパイスに決まりはないので、カルダモンやコショウ、クミンが含まれている場合もあります。そのため、購入の際は何のスパイスが含まれているかしっかり確認してくださいね。

ガラムマサラの辛味と香りを生かすために、入れるタイミングは完成間近が良いでしょう。

刺激的な味わいと風味を持つスパイスの特性を生かしたレシピ

カレーに使われる代表的なスパイスたちはさまざまな料理で活躍しています。カレーだけに使うのはもったいないです。ケノコトでのスパイスの活かし方を参考に、お家にあるスパイスの活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。

暮らしに一手間『自家製中濃ソース』

コロッケ、焼きそば、揚げ物…毎日の料理をさらに美味しく引き立ててくれるのが調味料。ソースもその一つですね。そんな中濃ソースを手作りしていましょう。材料はシンプル、果物や野菜、スパイスなど。野菜や果物のフルーティーさとスパイスを煮詰めてつくる手作りの中濃ソースは絶品!

暮らしに一手間『自家製中濃ソース』

保存食のある暮らし〜バター、乳、卵なしで作るノルウェーのジンジャークッキー『ペッパカーカ』

レシピのスパイスの配合は基本の配合で、家庭ごとにオリジナルの配合があるそうで食べ比べをして楽しむそうです。
私はオールスパイスや爽やかな香りのカルダモン、甘い香りのバニラも好きでよく加えます。

保存食のある暮らし〜バター、乳、卵なしで作るノルウェーのジンジャークッキー『ペッパカーカ』

スパイスが決め手!オトナの『カフェ・オ・レ ゼリー』

甘くなりがちなカフェ・オ・レ ゼリーに甘くさわやかな香りのカルダモンをくわえたクリームを加えると、あら不思議。ニュアンスのあるオトナのデザートに変身するのです。見た目の柔らかさをいい意味で裏切るデザート、ぜひお試しあれ。

スパイスが決め手!オトナの『カフェ・オ・レ ゼリー』

いつものキャベツにインドの風味を『さっぱりクミンキャベツ』

いつも冷蔵庫にあるもので、いつもと違うメニューを簡単に作りませんか。
キャベツのコールスローに飽きたら、クミン風味とさっぱり味のキャベツを楽しみましょう。

いつものキャベツにインドの風味を『さっぱりクミンキャベツ』

漬け込み不要!味付けして焼くだけかんたん『ラムスペアリブエスニック風グリル』

味付けして袋の中でよくもみ込んで焼くだけ。ナンプラーやスパイスを加えてエスニック風に仕上げています。クリスマスにチキンもいいけど、たまにはラムのスペアリブでグリルもいかがですか?

漬け込み不要!味付けして焼くだけかんたん『ラムスペアリブエスニック風グリル』

カレーに使われるスパイスには種類によって役割が異なります。上手に合わせて、自分好みのカレーやスパイスの特性を活かした料理を作ってみてくださいね。

記事/ケノコト編集部

+ posts
FacebookTwitterInstagram