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薬味だけではもったいない!『生姜をもっと取り入れて元気な身体をつくろう』

薬味に欠かせない生姜には、免疫力を高める効果や風邪予防、身体を温める効果があります。その効果を十分に生かすためには薬味としてだけではもったいない!生姜を普段の食事にもっと取り入れて、風邪知らずな身体をつくりませんか?
生姜を多く取り入れた料理や生姜の種類に合った使い方をご紹介いたします。

幅広く使われるのは『根生姜』

根生姜は、別名「ひね生姜」や「囲い生姜」と呼ばれています。店先で一番よく見かける生姜で、ふっくらと丸みがあり、強い辛味と香りが特徴です。名前に「根」があるので根っこの部分と思われがちですが、実は「茎」が肥大したものなのです。

根生姜には大きさによって3つのタイプがあります。

大生姜

1株1�s以上する種類の生姜です。一般的に流通している生姜はこの大生姜になり、国内生産量の90%を占めています。

中生姜

1株500g前後の種類で、青果としてよりは漬物や加工品として利用されています。

小生姜

1株300g前後の種類で、漬物として主に使われています。

生姜は根生姜だけではありません。根生姜からさらにできた生姜や、成長段階の生姜も親しまれています。

代表的な生姜の種類

新生姜

根生姜の上部に新しくできた部分です。根生姜に比べて辛味が穏やかで、みずみずしいのが特徴です。初夏に出回る新生姜は茎の付け根が鮮やかな紅色をしています。

葉生姜

新生姜が育ち始めて葉が2〜3�pになったときに出荷される生姜です。「谷中生姜」や「金時」、「三州」といった品種が有名です。

葉生姜

矢生姜

葉生姜よりさらに早採りし、陽に当てずに育て、出荷直前に陽に当てて茎に赤みをつけた生姜です。芽生姜や筆生姜とも呼ばれています。

生の生姜にもさまざまな種類がありますが、手軽に使えるように加工された生姜もあります。
どのようなものがあるのでしょうか?

おろし生姜

原材料名
「しょうが、でんぷん、食塩/酒精、酸味料、安定剤(キサンタンガム)、香料」

店頭に並ぶおろし生姜のチューブにはこのような原材料が使われています。これは一例で、メーカーによってセルロースや酸化防止剤などの添加物が含まれている場合があります。
安定剤や香料は品質を保つためだろうなと想像がつきますが、でんぷんや酒精にはどのような作用があるのでしょうか。

でんぷん

増量剤として使われます。また、でんぷんを原料としたデキストリンが含まれる場合は乾燥防止やしっとり感を出すことができます。

酒精

発酵アルコールのことで、糖質やでんぷんなどを原料としています。殺菌作用や二酸化炭素の発生を抑える効果があります。

おろし生姜

乾燥生姜パウダー

原材料名
「生姜」

乾燥生姜パウダーは品揃えの良い大手スーパーの香辛料コーナーや通販で見かけることがあります。原材料は基本的に生姜のみで、国産100%や完全無農薬など、産地や栽培方法にこだわりのある製品が多いです。

用途に合わせた生姜の上手な使い方

生姜の種類によって辛味や形状が異なるので、料理に合わせて使い分けをしましょう。

根生姜、おろし生姜

根生姜はすりおろしたり、薄切りにし、薬味や香辛料として使用します。香り成分は皮の近くにあるので、肉や魚の下処理や調味液に皮ごと入れると臭み消しにもなりますよ。
また、辛味が気になるようでしたら、おろしたときに出る絞り汁を加えるだけでも十分風味をお楽しみいただけます。薬味としてだけでなく、おろし生姜とはちみつを熱湯で溶かしたホットドリンクもおすすめです。
生姜の皮は丸めたアルミホイルでこすると凸凹の部分もきれいに皮を落とすことができるので、ぜひ試してみてください。

新生姜

薄切りにして甘酢漬けにするのが定番です。お寿司のガリに使われます。

葉生姜、矢生姜

葉生姜や矢生姜も甘酢漬けが定番です。甘酢漬けにした「薑(はじかみ)」は焼き魚の添え物としてよく使われます。また、茎をつけたまま味噌をつけて食べてもおいしいです。

はじかみ
葉生姜と味噌

乾燥生姜パウダー

生姜は乾燥させると水分が抜けるため、乾燥生姜パウダーには生姜の成分がたっぷり含まれています。そのため、生のものよりも生姜のもつ効果を強く感じることができます。粉末なので、さっと手軽に料理に使えるのが嬉しいですね。

海外でも親しまれている生姜

生姜を使うのは日本だけではありません。原産はインドを中心とした熱帯アジアで、日本には3世紀以前に中国から伝えられたといわれてます。また、2000年ほど前にはヨーロッパにも伝わっています。

中国やインドでは、古くから伝わる伝統医学の中で使われており、生姜は漢方に欠かせない存在です。生姜単体ではなく、他の漢方と組み合わせて広く使われています。
また、ヨーロッパではハーブとして親しまれてきました。イギリスでペストが流行した時期に、ペスト予防に役立つとして、イギリスをはじめとするヨーロッパではジンジャーブレッドやジンジャークッキーが頻繁に食べられていました。実際のところ、生姜自体にはペストを予防する効果はありませんが、生姜は風邪予防に良いとされています。

ジンジャークッキー

生姜の主な産地

国内で消費される50%の生姜は国内で作られ、残りの50%は輸入しています。輸入の多くが中国で、チューブに入ったおろし生姜は中国産が多く使われているのだとか。
国内では主に高知県で栽培されており、生産量の44%を占めています。高知県に次いで、熊本県、千葉県でも生産されています。

生姜の持つ効果

生姜の強い辛味と香りはジンゲロンショウガオールによるもので、どちらも抗酸化作用を持っています。

ジンゲロン

免疫力向上
免疫細胞である、白血球を増やして免疫力を高めてくれます。免疫力が高まると風邪にかかりにくくなります。風邪の引きはじめや生理痛にも効果的です。また、加熱したものよりも生の生姜の方が効果が高いといわれています。

抗菌・殺菌作用
抗菌・殺菌効果も高いため、生ものに添えると良いでしょう。

ショウガオール

抗ガン性効果
アメリカ国立ガン研究所が定めた「ガン予防が期待できる食品」にも選ばれており、抗ガン性があるといわれています。

血行促進作用
血行を促進させ、体温を高めてくれます。また、糖分や脂肪の代謝も促してくれるのでダイエットにも効果的です。

根生姜

生姜の賢い選び方と保存方法

根生姜

皮に傷がなく、全体がふっくらと硬く締まったものを選びましょう。切り口がしなびていたり、変色しているものは避けます。

葉生姜・新生姜

茎の付け根がきれいな赤色で、白い部分との色合いがハッキリしているものが良品です。白い部分はなるべく多いほうが良いとされています。

保管方法

生姜は水に濡れるとカビが生えたり腐ったりしやすく、冷やしすぎると低温障害で痛みが早くなります。乾燥を防ぐためにキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、涼しい冷暗所で保存しましょう。
また、根生姜は適当なサイズにカットして、水を入れた瓶などの容器に浸して冷蔵庫で保存する方法もあります。その際、水はこまめに取り換えてください。
長期保存したい場合は、千切りやみじん切り、すりおろすなどして冷凍しておきましょう。また、新しょうがと葉しょうがはあまり日持ちしないので早めに使い切るようにしましょう。

生姜の成分や保存方法はこちらもご覧ください。
身体を芯から温める『知って得する生姜の成分と保存方法』

生姜入り紅茶

縁の下の力持ちからメインに!おいしさ活きる生姜を使ったレシピ

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夏に向けて覚えておきたい冷製料理『生姜味噌バンバンジー』

「棒棒鶏(バンバンジー)」は冷製中華料理の定番ですが、いつもの胡麻ダレではなく生姜味噌で味付けをしてみました。きゅうりともやしのシャキシャキ感が、暑くて衰退気味の食欲をそそります。

生姜味噌バンバンジー

炊き立てご飯のお供!『生姜味噌漬けたまご』

とろとろ半熟卵を自家製生姜味噌ダレに漬け込んだ一品です。保存袋の中で調味料を混ぜるので、洗い物が少なく済むのも嬉しいポイント。余ったタレは豚肉を漬け込んで焼く等、色々活用して下さいね。

生姜味噌漬けたまご

土鍋で作るとお焦げがおいしい『アサリと生姜の炊き込みご飯』

いつもの炊飯器で炊くごはんも、土鍋で炊いてみるとふっくらおいしい!今夜はお手軽なむきアサリを使って、土鍋で炊き込みご飯にしてみませんか?蓋を開けた時の香ばしいおこげの香りがたまりませんよ。

アサリと生姜の炊き込みご飯

〜保存食のある暮らし〜鮮やかな色出しのコツ『秋みょうがと新生姜の甘酢漬け』

みょうがは夏から秋にかけて収穫されますが、秋のものの方が大きくふっくらしているので保存食には秋みょうがの方が向いています。新生姜の甘酢漬けも同じ作り方で出来ますので、一緒に作ると効率よく保存食を作ることができます。簡単にすし酢を利用して作る方法をご紹介します。

秋みょうがと新生姜の甘酢漬け

コンソメ不使用、素材の旨味たっぷりな黄金色のスープ!『鶏手羽元とゴロゴロ野菜の生姜ポトフ』

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鶏手羽元とゴロゴロ野菜の生姜ポトフ

生姜が後引く!『出汁取り昆布のごちそう佃煮』

大好きなこれをつくりたいがために昆布を3�p角に切ってビンで保存して、あれこれ出汁を取っては冷蔵庫のタッパーに保存する我が家。ポイントはたくさんの生姜と旨みを補う干しシイタケ。卵かけごはんにのせるのもおすすめです。

出汁取り昆布のごちそう佃煮

生姜は、薬味として食べるだけではもったいない食材です。免疫力アップや風邪予防など身体に良いことがたくさんあります。忙しいときは粉末の乾燥生姜を使って、手軽に生姜を料理に取り入れてみてくださいね。

記事/ケノコト編集部

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